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Data Model Patterns
資材所要量計画 - MRP(Material Requirements Planning)
 


MRPは1960年代に考え出された生産管理手法の1つで、日本では資材所要量計画と呼ばれることがあります。MRPでは、使用された分だけ補充するのではなく、需要を予測して在庫不足を解消し、同時に在庫も圧縮します。ここでは、まずMRPについて説明した後に、MRPで必要なデータに関するデータモデルについて説明します。

生産計画プロセスは、基本生産計画の作成から始まります。次にオートバイ(モデルA100)の基本生産計画を示します。第1週と第3週に予定注文が入り生産が開始します。注文ロットのサイズは75台です。

オートバイ(モデルA100)
  第1週 第2週 第3週 第4週 第5週 第6週
予定注文 75   75      
注文ロットサイズ: 75

基本生産計画は、販売のための需要供給分析を基に作成されます。この需要供給分析がMRPの核となります。以下はオートバイ(モデルA100)の需要供給分析です。期首在庫数と販売予想を考慮しながらオートバイの注文を予測します。注文ロット数は75であり、注文を入れてから補充されるまでの受注リードタイムは2週間です。第1週では、お客様への納入は35台で、在庫が40台なので、在庫は5台(40-35)となります。第2週では、補充予定が50台あるので、販売予想と納入予想をカバーしても、在庫は10台残ると推測できます。第3週では、第1週で入れておいた注文数が補充され、販売予想の40台をカバーできるようになります。納入予定とは、お客様への納品予定のことです。

オートバイ(モデルA100)
  第1週 第2週 第3週 第4週 第5週 第6週
販売予想   30 40 40 40 20
納入予定 35 15        
補充予定   50        
在庫(40) 5 10 -30/45 5 -35/40 20
予定注文 75   75      
受注リードタイム
: 2週間
注文数:75 期首在庫:40

このように完成製品のための生産計画が完了したら、完成製品の部分を構成する部品の生産計画を策定します。次の表は、オートバイ(モデルA100)とオートバイ(モデルA200)を構成する部品表です。ここでは、モデルA100とモデルA200は同じ前輪を使うと想定します。モデルA100の生産ロットサイズは75台ですが、たとえば、モデルA200の生産ロットサイズを50台とし、それぞれ1ロットずつ予定注文した場合は、前輪が合計125本(75+50)必要となります。

次に、前輪の需要供給分析を行います。この分析では、モデルA100とモデルA200の基本生産計画が反映されています。具体的には、先ほどの第1週と第3週でのモデルA100オートバイ用の予定注文が依存需要として反映されています。前輪の受注リードタイムは1週間になります。第2週と第3週ではモデルA200の予定注文が入っています。

前輪
  第1週 第2週 第3週 第4週 第5週 第6週
依存需要 75 50 125   50 50
納入予定 10 5 5 10 10 10
補充予定 85          
在庫(55) 55 0 -130/20 10 -50/100 40
予定注文   150   150    
受注リードタイム
: 1週間
注文数:150 期首在庫:55

今までの説明からおわかりのように、部品(前輪、エンジンなど)からオートバイを1ロット分生産するのに2週間のリードタイムが必要でしたが、前輪の部品からオートバイを1ロット分生産するには3週間のリードタイムが必要となります。この全体のリードタイムを考慮しないと、お客様の需要に答えられない恐れが出てきます。たとえば、モデルA100の第3週の販売予想が40台から100台に変更された場合は、第1週目の予定注文を1ロットから2ロットの150台に変更する必要があります。しかし、先述の前輪の需要供給分析では第1週の在庫+補充予定(85+55=140)となり、150本の前輪がありません。

オートバイ(モデルA100)
  第1週 第2週 第3週 第4週 第5週 第6週
販売予想   30 40(100) 40 40 20
納入予定 35 15        
補充予定   50        
在庫(40) 5 10 -30 5 -35/40 20
      -90(60)      
予定注文 75   75      
受注リードタイム
: 2週間
注文数:75 期首在庫:40

このような在庫不足を解消するために、MRPでは(他企業より購入する場合も含め)従属部品のリードタイムを細かく分解し、タイム バケットごとに管理します。1970年代からはコンピュータが導入され、MRPがより実現的となりました。最近までは製造業で広く普及していましたが、現在では物流管理や経理などの機能を追加統合したERP(Enterprise Resource Planning)に進化しました。

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  生産計画(従来ベース)
  生産計画(MRPベース)
  計画項目に焦点を当てた生産計画

生産計画(従来ベース)
 

ここでは、工場が生産する製品についてモデル化します。主なエンティティの定義は次のとおりです。
資産タイプ: 識別および定義可能なモノです。例: モデルA100型オートバイ
資産: 資産タイプのインスタンスです。
例: シリアル番号1のモデルA100型オートバイ
ストラクチャ型部品資産タイプ: 資産タイプが他資産タイプの構成要素となるタイプです。たとえば、前輪はオートバイの構成要素なので、ストラクチャ型構成要素タイプになります。
作業指示書: 作業を指示する文書です。生産する数量、生産開始日、作業の推定終了日、および実終了日を管理します。

 
Describeモデル ER/Studioモデル
 
AllFusion ERwin Data Modeler モデル  

生産計画(MRPベース)
 

ここでは、MRPを実装するための生産計画についてモデル化します。主なエンティティの定義は次のとおりです。

補充予定: 在庫として補充する予定です。
納入予定: お客様への納品予定です。
需要予測: 市場の需要予測です。
最適予定注文: MRPプログラム実行後にコンピュータが計算した予定注文です。

先述での需要供給分析表とネーミングの整合性を取っています。補充予定、納入予定、需要予測、および最適予定注文では、日付と数量が属性となります。補充予定と納入予定は現実世界をベースにしますが、需要予測はシミュレーションの世界をベースにします。補充予定および作業指示書、または購入注文製品のスーパータイプとサブタイプの関係は、補充予定商品および補充予定作業、または補充予定製品に置き換えると理解できるかと思います。資産タイプでは、その資産タイプを生産するためのリードタイムと、その資産タイプを構成するストラクチャ型部品資産タイプのリードタイムを含めた全体リードタイムが属性として管理されます。
 
Describeモデル ER/Studioモデル
 
AllFusion ERwin Data Modeler モデル  

計画項目に焦点を当てた生産計画
  MRPの核となる需要と供給を含めた計画項目に焦点を当てたモデルです。生産計画(MRPベース)モデルで、属性に日付と数量があるエンティティを計画項目として抽象化します。計画項目の最上位副エンティティには、需要、供給、および在庫状況が含まれます。さらに需要では、納入予定、市場の需要予測、および独立需要が副エンティティとして定義されます。独立需要とは、独立して販売できる部品への需要のことです。たとえば、前輪を販売する場合は、前輪への需要を独立需要とします。供給では、補充予定、最適予定注文、よび予定注文が副エンティティとして定義されます。ある程度の需要が判断できる製品については、従来通りの予定注文を行います。たとえば、MRPプログラムによって計算された最適予定注文(通常は定期発注方式になる)と定量発注方式での予定注文を効率良く使い分けます。仕入注文製品と購入注文製品も注文製品として抽象化します。効率の良いMRPプログラムを開発するには、この計画項目部分のデータモデルがしっかりしている必要があります。
 
Describeモデル ER/Studioモデル
 
AllFusion ERwin Data Modeler モデル  
 
 
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